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大腸内視鏡検査翌日に運動はしてもいい?【専門医が徹底解説】

日頃から運動をしている方は、大腸内視鏡検査翌日に運動ができるかどうか気になりますよね?

大腸内視鏡検査の後に、

「週末マラソン大会に参加しても大丈夫ですか?」

「明日ゴルフのラウンドに行ってもいいですか?」

「いつも1万歩歩いているのですが歩いていいですか?」

と運動に関する質問をよく受けます。

この記事では、「大腸内視鏡検査翌日に運動はしてもいいの?」という疑問を解決していきます。

この記事の内容

  • 大腸内視鏡検査の翌日に運動ができる場合とできない場合
  • 検査翌日に運動ができない理由
  • 検査後はいつまで運動ができないのか
  • 検査翌日からしてもいい運動とだめな運動
  • 検査翌日からの仕事・家事・育児について

この記事の信頼性

この記事を書いた私の名前は「金澤 周(かなざわ あまね)」です。

埼玉県草加市にある、草加西口大腸肛門クリニックの院長です。

また、大腸と肛門の専門医であり指導医でもあります。

そして、毎年約1,000件の大腸内視鏡検査を行っています。

これを読めば、大腸内視鏡検査後の日頃の運動や大会への参加や仕事や家事の計画を立てやすくなります

『あなたとあなたの大切な人の健康と未来を守るために』

それでは始めていきましょう。

目次

大腸内視鏡検査の翌日に運動ができる場合とできない場合

大腸内視鏡検査の際にポリープ切除を受けた場合は翌日の運動制限があります。

一方でポリープ切除をしていない場合には、特に運動制限はありません。

大腸検査翌日に運動ができるかできないかのポイントは、

『ポリープの切除をしているかどうか』です。

大腸内視鏡検査翌日に運動ができない理由

ポリープ切除の後には、『ポリープ切除後の出血』という合併症があります。

大腸内視鏡検査翌日に運動ができない最大の理由は、

ポリープ切除後の出血のリスクを少しでも減らすためです。

大腸ポリープ切除後の出血のリスクは?

大腸ポリープを切除した場合の切除後出血のリスクは、

1.1-1.4% と報告されています(文献1, 2)。

しっかりとした検査をしていても、約100人に1人は出血してしまいます。

「出血のリスクは低いから自分は大丈夫!」

と思った方はいませんか?

ポリープ切除後に出血をした場合は、結構大変です。

まずは、病院を受診して診察を受ける必要があります。

そして場合によっては、再度内視鏡検査をして止血処置をする必要があります。

あなたの貴重な時間を費やすとともに、体にも負担がかかってしまいます。

大腸ポリープ切除後の出血はどうしておこる?

大腸ポリープ切除後の出血はどうしておこるのでしょうか?

大腸ポリープを切除する際には、ポリープに入っていく血管を一緒に切除します。

ポリープを切除した直後は上の写真のように、

切除した血管の切り口が一時的なかさぶたや、クリップという器具で止血されている状態です。

このかさぶたやクリップが外れることにより出血します。

原因は主に以下の2つです。

  • 血の流れがよくなる
  • 便が通ることによる物理的な刺激

運動をすると血圧が上昇して、血の流れが良くなります。

これによってポリープ切除後の出血のリスクが上がります!

大腸ポリープ切除後の出血はいつ起こる?

大腸ポリープ切除後の出血は、術後2〜3日以内に起こることが多いです。

1週間を過ぎての出血はゼロではないですがほとんどありません。

このため、大腸ポリープ切除後2〜3日は特に注意が必要です。

大腸内視鏡検査翌日からいつまで運動ができないの?

処置後の出血のリスクを減らすための運動制限をまとめたのが上の表です。

ただし、日帰りでポリープ切除をした場合で、入院が必要な大きなポリープなどの場合はこの限りではありませんのでご注意ください。

なんの処置もしていない場合は出血という点からは運動制限はありません。

【鎮静剤や鎮痛剤】

しかし、検査の際に鎮静剤・鎮痛剤を使用している場合は、

少なからず、眠気・ふらつき・判断力の低下をともなうので、

検査当日の運動はしない方が安全です。

次に、生検(組織をつまむ検査)をした場合は、

処置後の出血のリスクを減らすために、検査当日の運動は禁止です。

最後に、ポリープ切除をした場合は、

検査翌日〜約1週間と運動禁止期間に幅があります。

「え?そんなに期間に幅があるの?」

と思った方もいらっしゃるでしょう。

ポリープ切除後の出血のリスクは以下の要素が関係すると報告されています。(文献3, 4, 5)

  • ポリープの大きさ
  • ポリープの個数
  • ポリープの形
  • 切除方法(分割/一括)
  • 凝固焼灼(電気を通して止血)追加の有無

内視鏡担当医はこれらの要素を総合して判断し、

ポリープ切除後の運動制限の期間を決めています。

簡単にまとめると、

『大きなポリープほど、ポリープをたくさん取ればとるほど出血のリスクは増える』と言えます。

このため、大きなポリープや多くのポリープをとる場合は、安全性の面から入院が必要となります。

あなたが大腸ポリープの切除を受けた場合、

いつからどの程度の運動が可能かどうかは、検査後の説明の際に担当医に必ず聞いてください。

大腸内視鏡検査翌日からしてもいい運動だめな運動は?

「じゃあ、どんな運動なら翌日からしてもいいの?」

と思った方もいらっしゃると思います。

ここからは翌日からしてもいい運動とだめな運動についてお話ししていきます。

翌日からしてもいい運動

簡単なストレッチや、近所の散歩などはOKだと思います。

「ラジオ体操は?」と聞かれることもありますが、

ピョンピョン跳ねない感じで控えめであればOKだと思います。

翌日から制限した方がいい運動

私が日頃お話ししている制限した方がいい運動は、

  • 一万歩くらいの散歩
  • 汗をかくようなウォーキング
  • マラソン
  • ジョギング
  • 筋トレやジムでのトレーニング
  • ヨガ
  • プール
  • テニス
  • ゴルフ
  • 野球
  • サッカー
  • その他の激しく体を動かす運動

など、それなりに激しく体を動かす運動です。

汗をかいたり、いきんで力を入れる運動は避けた方が無難です。

大腸内視鏡検査翌日からの仕事・家事・育児は?

ここまでで、大腸内視鏡検査翌日の運動制限についてはイメージしていただけたと思います。

最後に、仕事や家事の制限についてです。

大腸内視鏡検査でポリープ切除をしていない場合は仕事・家事・育児の制限はありません。

ポリープ切除をした場合も、基本的には日頃の仕事・家事・育児はしてもOKです。

ただ、体を動かす仕事の方の場合は、日頃以上の負荷はかけないようにしてください。

日頃から体を動かす仕事の方は、できれば少しだけでも仕事量をセーブできると安心です。

まとめ

ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。

大腸内視鏡検査翌日に運動をしていいかどうかについておわかりいただけましたでしょうか?

あなたが大腸ポリープの切除を受けた場合には、翌日以降の運動制限がつきます。

そして、ポリープ切除後に運動を控えた方がいい実際の期間は、

ポリープを切除した状況により大幅に変わります。

日頃運動や体を動かす仕事をしている方は、

検査後に必ず担当医に、いつからどの程度の運動ができるか確認をしてください。

この記事が、

  • 皆様の健康維持
  • 皆様の病気の予防・早期発見・早期治療
  • 皆様が大腸内視鏡検査を受ける際の疑問や不安の軽減

これらのためにお役に立てれば幸いです。

『あなたとあなたの大切な人の健康と未来を守るために』

草加西口大腸肛門クリニック 院長 金澤 周(かなざわ あまね)

草加西口大腸肛門クリニックのHPはこちら▶︎▶︎▶︎草加西口大腸肛門クリニック

引用文献

  1. 田中 信治,樫田 博史,斎藤 豊,ほか.大腸ESD/EMRガイドライン.日本消化器内視鏡学会誌 2014; 56: 1598-1617.
  2. 浦岡 俊夫,滝沢 耕平,田中 信治,ほか.大腸cold polypectomyガイドライン(大腸ESD/EMRガイドライン追補).日本消化器内視鏡学会誌 2021; 63: 1149-1158
  3. 松本 美桜,加藤 元嗣,大庭 幸治,ほか.大腸ポリープ切除後のクリップ止血予防に対する多施設共同無作為比較試験.日本消化器内視鏡学会誌 2017; 59: 1537-1545.
  4. 辻 剛俊,三上 達也,福田 真作,ほか.大腸ポリープ切除後早期出血の危険因子とクリップの残存率の検討.日本消化器内視鏡学会誌 2008; 50: 199-205
  5. 大腸ポリープ診療ガイドライン2020.日本消化器病学会
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この記事を書いた人

大腸肛門科医
【経歴】弘前大学医学部卒業▶︎横浜市立大学研修医▶︎神奈川県立がんセンター・大腸外科▶︎社会保険中央総合病院・大腸肛門病センター▶︎2018年から草加西口大腸肛門クリニック院長
●診療理念『あなたとあなたの大切な人の健康と未来を守るために』
●大腸とおしりの悩みを解決します!

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