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大腸内視鏡検査費用の全て!【専門医が徹底解説】

検診で便潜血陽性となり、精密検査の大腸内視鏡検査を受けるように言われた際に、

検査の費用がいくらかかるか心配ですよね?

「検査当日はどのくらい準備しておいたらいいですか?」

という質問もよく受けます。

この記事では、「保険診療の場合に、大腸内視鏡検査の費用はいくらなの?」という疑問を解決していきます。

この記事の内容

  • 大腸内視鏡検査全体でかかる費用の目安
  • 大腸内視鏡検査費用に幅がある理由
  • 大腸内視鏡検査費用は医療機関によって違うのか?
  • 大腸内視鏡検査費用を徹底解剖!

この記事の信頼性

この記事を書いた私の名前は「金澤 周(かなざわ あまね)」です。

埼玉県草加市にある、草加西口大腸肛門クリニックの院長です。

また、大腸と肛門の専門医であり指導医でもあります。

そして、毎年約1,000件の大腸内視鏡検査を行っています。

これを読めば、保険診療での大腸内視鏡検査の費用の目安が分かります。

『あなたとあなたの大切な人の健康と未来を守るために』

それでは始めていきましょう。

ご注意:

今回の記事は、保険診療での『日帰りでの大腸内視鏡検査やポリープ切除』を対象としています。

  • 入院での大腸内視鏡検査やポリープ切除
  • 検診などで自費での大腸内視鏡検査

は対象外です。

入院や自費の検査費用については各病院にお問い合わせください。

目次

大腸内視鏡検査費用、全体でかかる目安はこのくらい!

今回の患者さんの設定は以下となります。

  • 検診で便潜血陽性となり精密検査のため、クリニックを初診
  • 検査予約、採血、下剤のお渡し
  • 検査当日の検査および処置(観察のみ/生検(組織検査)/大腸ポリープ切除)
  • 後日の外来(生検とポリープ切除の場合のみ)

そして、大腸内視鏡検査費用の目安は以下です。

大腸内視鏡検査内容3割負担
観察のみ約9,000円〜12,000円
生検(組織検査)約13,000円〜23,000円
大腸ポリープ切除
(2cm未満)
約20,000円〜40,000円
【大腸内視鏡検査費用の目安】

大腸内視鏡検査全体でかかる費用の目安は、約10,000円〜最大で約40,000円覚えてください!

大腸内視鏡検査費用に幅があるのはなぜ?

保険診療での費用は、人間ドックのように1回いくらとは決まってはいません。

ベースとなる基本費用があり、診察料や薬剤料などが加わっていき、最終的な費用が決まります。

大腸内視鏡検査の場合も同様で、以下の費用の合計で最終的な費用が決まります。

  1. 基本費用
  2. 診察料
  3. 薬剤料
  4. 病理検査料
  5. 追加検査料
  6. 加算
  7. 自費

3割負担の方の場合、基本費用だけみても、

観察のみの場合は4650円ですが、大腸ポリープを切除した場合は15000円で約3倍となります。

これにさらに他の費用も加わるため、最終的には約10,000円〜最大で約40,000円と大きな幅が生まれます。

大腸内視鏡検査費用は医療機関によって違いがあるの?

答えは、『大きな違いはない』です。

保険診療をしている医療機関の診療の価格は厚生労働省によって決められています。

つまり、医療機関ごとに勝手に料金を決めることはできません。

診療にかかる費用は、『診療点数早見表』を見ると誰でも知ることができます。

【診療点数早見表】(医学通信社HPより引用)

診療にかかる費用は点数で決められていて1点10円で計算します。

例えば、基本費用の部分では、

観察のみの大腸内視鏡検査は1,550点(15,500円)で、

内視鏡的大腸ポリープ切除術は5,000点(50,000円)と決まっています。

そして、3割負担の方の自己負担はそれぞれ3割の、4,650円と15,000円になります。

ただ、注意点として、健康保険適応外の自費診療の場合は別です。

自費診療で大腸内視鏡検査を提供する場合は、料金は医療機関が自由に決められます。

大腸内視鏡検査費用を徹底解剖!

先ほど、大腸内視鏡検査の費用は以下の7つからなることは説明しました。

  1. 基本費用
  2. 診察料
  3. 薬剤料
  4. 病理検査料
  5. 追加検査料
  6. 加算
  7. 自費

ここからはこれらの費用を順番に詳しく解説していきます。

診療報酬点数は、1点=10円です。

なお、病院の窓口で支払う医療費の額は、健康保険法第75条で「10円未満の金額」については端数処理(四捨五入)することとなっています。

また、分かりやすく説明するため、一部省略している項目もありますのでご了承ください。

大腸内視鏡検査の費用①【基本費用】

大腸内視鏡検査の柱となる基本費用は以下の2つです。

  • 大腸内視鏡検査・・・1,550点
  • 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)・・・5,000点

大腸の観察のみや、生検による組織検査をした場合は【大腸内視鏡検査 1,550点】となります。

また、大腸ポリープ(2cm未満)を切除した場合は、【内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 5,000点】となります。

ちなみに2cm以上のポリープ切除の場合は7,000点となりますが、外来ではほとんどないため今回は除外しています。

大腸内視鏡検査の費用②【診察料】

診察料は以下の2種類です。

  • 初診料・・・288点
  • 再診料・・・73点

内視鏡検査を受ける日や、検査後に病理組織結果を聞きに来る日には再診料がかかります。

3割負担の場合は、初診料860円、再診料220円かかります。

大腸内視鏡検査の費用③【薬剤料】

薬剤料としては以下の項目があります。

  • 下剤
  • 検査当日に使用する点滴・鎮静剤・鎮痛剤など
  • 大腸ポリープ切除の際に使う薬剤

下剤

検査前日にはセンノシドやピコスルファートなどの下剤が処方されることが多いです。

また、検査当日の約2リットルの下剤は現在7種類が各社から発売されています。

下剤の種類内服日薬価
センノシド前日10円(2錠)
ピコスルファート
ナトリウム
前日78円(10ml)
マグコロール50g前日379円(1袋)
マグコロール100g当日769円(1袋)
モビプレップ当日1730円(1袋)
ビジクリア当日2675円(50錠)
ニフレック当日810円(1袋)
ピコプレップ当日1988円(2袋)
ムーベン当日522円(1本)
サルプレップ当日1967円(2本)
【下剤の種類と薬価と費用】

検査当日に内服する下剤は、薬価が522円〜2,675円のため、

3割負担の場合で、費用は160円〜800円と開きがあります。

どの下剤もメリットデメリットがあるため、どれを使っているかは各クリニックでことなります。

検査当日に使用する点滴・鎮静剤・鎮痛剤など

検査当日に点滴をして、鎮静剤・鎮痛剤や腸の動きをおさえる薬を使うクリニックもあります。

点滴や薬剤の種類については各クリニックでことなりますが、

使う薬剤の価格を合わせても1,000円以内におさまりますので、

皆さんの負担はその3割で、おおよそ300円以内となります。

大腸ポリープ切除の際に使う薬剤

大きな大腸ポリープなどでは、

内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic Mucosal Resection) という方法で切除する場合があります。

この方法では、粘膜下層というところに、内視鏡用粘膜下注入材を局所注射して、

ポリープを浮かせた後に、スネアという器具で絞めて、電気を通して切除します。

内視鏡用粘膜化注入剤は5,880円のため、

3割負担の場合は、1,760円の費用がかかります。

大腸内視鏡検査の費用④【病理検査料】

大腸内視鏡検査の際に、生検(組織をとること)やポリープ切除をした場合、

採取した組織がどのような組織なのか、

良性なのか、悪性(がんなど)なのかを調べるために、

病理組織検査に提出し、プレパラート(病理組織標本)を作製して、病理医に診断をしてもらいます。

この一連の過程で費用が発生します。

生検とポリープ切除の場合の病理組織検査の費用は以下となります。

  • 生検・・・1,300点〜3,640点
  • ポリープ切除・・・990点〜2,710点

ここから、生検とポリープ切除の場合について詳しくみていきます。

その前に、病理組織検査の費用を理解する上で必要な、

『臓器数』という考え方について解説します。

臓器数とは?

病理組織検査の費用は組織をとった個数ではなく、『臓器数』によって変わります。

大腸内視鏡検査の場合、臓器は以下の5種類に分類されています。

  • 小腸
  • 盲腸
  • 上行・横行・下行結腸
  • S状結腸
  • 直腸

をそれぞれ1臓器として、3臓器まで算定できます。

例えば、上行結腸で100個組織をとっても1臓器ですが、

盲腸・S状結腸・直腸で1個ずつ組織をとれば3臓器となります。

この場合、100個組織をとるよりも、3個組織をとった場合の方が費用は高くなります。

それでは、生検と大腸ポリープ切除の場合についてみていきましょう。

生検

【生検鉗子】(オリンパスHPより引用)

生検鉗子という器具を用いて、組織を採取します。

生検をした場合の費用は以下になります。

採取臓器数
1臓器2臓器3臓器
病理判断料130点130点130点
内視鏡下生検法310点610点930点
病理組織標本作製料860点1,720点2,580点
合計1,300点2,470点3,640点
【生検の病理検査料】

病理判断料はこのように採取した臓器数により費用はかわってきます。

3割負担の場合、生検1臓器では3,900円、2臓器では7,410円、3臓器では10,920円の費用がかかります。

ポリープ切除

【大腸ポリープ切除】

大腸ポリープを切除した場合も、臓器数によって費用が変わってきます。

採臓器数
1臓器2臓器3臓器
病理判断料130点130点130点
病理組織標本作製料860点1,720点2,580点
合計990点1,850点2,710点
【ポリープ切除の病理検査料】

3割負担の場合、1臓器では2,970円、2臓器では5,550円、3臓器では8130円の費用がかかります。

大腸内視鏡検査の費用⑤【追加検査料】

通常の検査に加えて追加検査をした場合の費用になります。

いくつかありますので代表的なものをあげてみました。

  • 血液検査・・・780点以下
  • 便の培養検査・・・450点以下

血液検査

血液検査は大腸内視鏡検査前の外来を受診した際などに行います。

血液検査の目的は、『大腸内視鏡検査が安全に行えるかどうかを判断するため』です。

貧血がないかなどの基本項目や、

生検やポリープ切除の際に血が止まりにくくないかを調べる凝固検査や、

感染症(B型肝炎、C型肝炎、梅毒)などを調べます。

どの項目を調べるかは病院によって異なり、それにより費用もことなります。

ただし、大腸内視鏡検査の際に血液検査は必須ではありません。

血液検査をするかどうかは各病院の判断になります。

便の培養検査

感染性腸炎が疑わしい場合などは、内視鏡の際に便を採取して、便の培養検査を行います。

培養検査の項目により費用はことなります。

便の培養検査は結果が出るまでに時間がかかるため、

培養検査の結果は後日外来でお伝えするようになります。

大腸内視鏡検査の費用⑥【加算】

大腸内視鏡検査の際の費用として【加算】があります。

これは、特別なスコープを使って検査をしていたり、

厚生労働省から認可された施設のみに認められているものなどです。

代表的なものは以下の2つです。

  • 狭帯域光強調加算・・・200点
  • 短期滞在手術等基本料1・・・2,718点

これらはやや難しくなるので簡単に説明します。

狭帯域光強調加算

『きょうたいいいきこうきょうちょうかさん』と読みます。

これは、大腸内視鏡検査のときに、がんなどの悪性腫瘍を疑う場合により詳しく観察をするために行います。

【狭帯域光観察】(オリンパスHPより引用)

内視鏡検査中に狭帯域光観察(NBI: Narrow band imaging)というモードに変え、

さらに拡大観察をして、悪性腫瘍かどうかの判断をします。

実際の検査では白っぽい画面が緑色に変化して、ズームがかかった場合はこの観察をしています。

短期滞在手術料等基本料1

これは、2022年から導入された加算になります。

内容としては、大腸ポリープ切除術などの日帰り手術の際には、

適切な人員配置・施設や医療設備の充実度・緊急時の対応などで、

一定以上の質を確保することが基準として求められていて、

それを満たしている施設が行政から正式に認定を受けた場合にのみ加算が認められています。

なお、事前に血液検査をしている場合で、短期滞在手術等基本料の加算を算定した際には、

血液検査分の費用は返金となります。

大腸内視鏡検査の費用⑦【自費】

自費としてかかる費用としては以下のものがあります。

  • 検査食・・・1,000円〜1,500円程度
  • 検査のときの使い捨てパンツなど・・・数百円

これは保険診療外の部分のため、費用も各医療機関によってことなります。

検査食

大腸内視鏡検査の前日に、専用の検査食をお渡ししているクリニックもあります。

当院でも、クリアスルーといる検査食をお渡ししています。

【専用検査食】kewpieHPより引用

検査食の利点は、『検査前日の食事レシピを考える必要がない』ということです。

大腸内視鏡検査の前には食事制限をして腸をきれいにする必要があります。

しかし、食べていいもの悪いものがあり、結構大変です。

検査前日の食事で悩みたくない方はぜひ専用の検査食をご利用ください!

検査前日の食事の詳細について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

大腸内視鏡検査前後の食事と飲み物について【専門医が徹底解説】

検査のときの使い捨てパンツなど

大腸内視鏡検査の時の服装も施設によっていろいろですが、専用の検査着に着替える施設が多いと思います。

ガウンはリユースと使い捨てと施設によって変わりますが、

検査のときにはくパンツはさすがに使い捨てだと思います。

まとめ

ここまで記事を読んでいただきましてありがとうございました。

『保険診療の場合に、大腸内視鏡検査にかかる費用』についておわかりいただけましたでしょうか。

保険診療の場合に、大腸内視鏡検査全体でかかる費用の目安は、

約10,000円〜最大で約40,000円覚えていただければOKです。

ポリープ切除の場合、費用はかかりますが、

大腸内視鏡検査は大腸がんの予防や早期発見・早期治療のためにはとても優れた検査です。

大腸内視鏡検査を受けずに、後日進行大腸がんが見つかった場合には、

もっと多くの費用だけでなく、あなたの大切な時間も必要となり、

精神的・身体的負担も大きなものとなります。

便潜血検査が陽性の場合や、血便があり大腸内視鏡検査を勧められた場合は、

少しだけ勇気を出して、大腸内視鏡検査を受けてみてください。

この記事が、

  • 皆様の健康維持
  • 皆様の病気の早期発見・早期治療
  • 皆様が大腸内視鏡検査を受ける際の不安や疑問の軽減

これらのためにお役に立てれば幸いです。

『あなたとあなたの大切な人の健康と未来を守るために』

草加西口大腸肛門クリニック 院長 金澤 周(かなざわ あまね)

草加西口大腸肛門クリニックのHPはこちら▶︎▶︎▶︎草加西口大腸肛門クリニック

引用文献

  1. 診療点数早見表 2024年度版.医学通信社
  2. 短期滞在手術等基本料の概要.厚生労働省
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この記事を書いた人

大腸肛門科医
【経歴】弘前大学医学部卒業▶︎横浜市立大学研修医▶︎神奈川県立がんセンター・大腸外科▶︎社会保険中央総合病院・大腸肛門病センター▶︎2018年から草加西口大腸肛門クリニック院長
●診療理念『あなたとあなたの大切な人の健康と未来を守るために』
●大腸とおしりの悩みを解決します!

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