「大腸内視鏡検査を受けるけど、民間の生命保険は使えるのかな？」
多くの人が疑問に思いますよね。
民間の生命保険には多数の種類がありますが、一般的には『医療保険』と呼ばれているものです。
この記事では、「あなたが大腸内視鏡検査を受けた場合に、民間の生命保険の給付金の対象なのか？」という疑問を解決していきます。
この記事の内容
- 大腸内視鏡検査費用で民間の生命保険が使える条件
この記事の信頼性
この記事を書いた私の名前は「金澤 周（かなざわ あまね）」です。
埼玉県草加市にある、草加西口大腸肛門クリニックの院長です。
また、大腸と肛門の専門医であり指導医でもあります。
そして、毎年約1,000件の大腸内視鏡検査を行っています。
このれを読めば、あなたが給付金の支払い対象なのかどうかが分かります。
『あなたとあなたの大切な人の健康と未来を守るために』
それでは始めていきましょう。
ご注意：
支払いの適応や給付金額などの詳細はご加入の生命保険会社によってことなります。
必ずご加入の生命保険会社にご確認ください。
また、がんの場合の保険については今回の記事は対象としておりません。
大腸内視鏡検査の費用、生命保険が使えるのは？
大腸内視鏡検査の費用で民間の生命保険（医療保険）が使える可能性があるのは以下です。
- 大腸ポリープ切除の手術をした場合
大腸の観察のみの場合は適応になりません。
また、生検（組織検査）は検査料として算定されるので、民間医療保険の対象にはなりません。
まとめると以下の表になります。
| 民間保険の対象 | |
| 大腸ポリープ切除 | ◯ |
| 生検（組織検査） | × |
| 観察のみ | × |
民間の生命保険の商品は一般的に、
『公的医療保険制度の対象となる手術等』が保証されています。
公的医療保険制度とは？
公的医療保険制度とは、日本国民全てに加入が義務付けられているもので、
- 被用者保険
- 国民健康保険
- 後期高齢者医療制度
の3つがあり、皆さんもどれかに加入しています。
そして年齢や所得に応じて負担額が１割〜３割と変わってきます。
これに対して、任意で加入するのが民間の生命保険（医療保険）です。
大腸ポリープ切除の正式な手術名は？
大腸ポリープの切除は、公的医療保険制度の対象となっている手術です。
正式な手術名は、
- K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術
といいます。
皆さんが病院でのお会計の際にもらった診療明細書に、
上記の手術名があった場合には、民間の生命保険（医療保険）の手術給付金の支払い対象となることがほとんどです。
一度ご加入の生命保険会社に確認をしてみてください。
内視鏡的大腸ポリープ切除術と内視鏡的大腸粘膜切除術の違いは？
この2つの言葉の違いは、ポリープを切除する方法の違いです。
より安全にポリープを切除するために、
ポリープの大きさや形状によって切除する方法を変えています。
保険診療上の費用は5,000点（10割負担で50000円）で同じです。
このため、あなたが病院でお会計の際にもらった診療明細書に、
どちらかの手術名が記載されていればOKとなります。
以下に2つの手術について簡単に説明します。
内視鏡的大腸ポリープ切除術
写真のようなスネアという器具を使ってポリープを切除します。
以前は高周波電流を流して、
ポリープを焼き切る方法（ホットポリペクトミー）が一般的でしたが、
最近はコールドポリペクトミーといって、
高周波を使わない方法が主流となりつつあります。
大きさが10mm未満のポリープの場合には、
このどちらかの方法が取られることが多いです。
内視鏡的大腸粘膜切除術
大きな大腸ポリープなどでは、
内視鏡的粘膜切除術（Endoscopic Mucosal Resection) という方法で切除する場合があります。
この方法では、粘膜下層というところに、
内視鏡用粘膜下注入材を局所注射して、ポリープを浮かせた後に、
スネアで絞めて、電気を通して切除します。
この方法の場合、10mm以上の大きなポリープも切除できます。
ただ、あまり大きなポリープを切除した場合、出血などの合併症も増えるため、
安全性の面から外来で日帰りはなく、入院での治療が良い場合もあります。
まとめ
ここまで記事を読んでいただきましてありがとうございました。
『大腸内視鏡検査を受けた場合に、民間の生命保険が使えるのかどうか』についておわかりいただけましたでしょうか。
大腸ポリープの切除は手術扱いになりますので、ほとんどの場合で民間の生命保険（医療保険）の対象になります。
私のクリニックでも、ポリープ切除を受けた方が保険会社の書類を持って来院されます。
大腸内視鏡検査でポリープ切除を受けた場合は、それなりに費用がかかりますが、
ご自身の民間の生命保険（医療保険）をうまくご利用いただくことにより、
費用的にも安心して検査を受けられるのではないでしょうか。
保険診療の場合の大腸ポリープ切除の費用の詳細は以下の記事をご覧ください。
そして何よりも大腸がんの元となるポリープを切除することにより、大腸がんの予防につながります。
あなたも少しだけ勇気を出して、大腸内視鏡検査を受けてみてください。
この記事が、
- 皆様の健康維持
- 皆様の病気の早期発見・早期治療
- 皆様が大腸内視鏡検査を受ける際の不安や疑問の軽減
これらのためにお役に立てれば幸いです。
『あなたとあなたの大切な人の健康と未来を守るために』
草加西口大腸肛門クリニック 院長 金澤 周（かなざわ あまね）
草加西口大腸肛門クリニックのHPはこちら▶︎▶︎▶︎草加西口大腸肛門クリニック
引用文献
- 我が国の医療保険について．厚生労働省HP
