「中学3年生に朝ごはんの大切さについてお話をしてください」
先日、学校の保健の先生からお願いされて、中学3年生を対象に講演をしてきました。
思い返すと、自分が中学生の頃は、食事のことを深く考えたことはあまりなく、
親が作ってくれたごはんを残さず食べることだけを考えていました。
でもその頃と今は時代が違います。
SNSやテレビにはたくさんの健康情報があふれ、
その中から自分で「何が本当か」「自分に合うのはどれか」を選ぶ力が必要となっています。
そんな時代を生きる中学生のみなさんに、
今と将来のために知っておいてほしい「朝ごはんのこと」と「生活習慣のこと」を、
今日から使える具体的なメソッドも含めてお話ししていきます。
このページは、その講演の内容を、中学生のみなさんと保護者の方、先生方にも読んでいただけるようにまとめたものです。
それでは始めていきましょう。
この記事の信頼性
この記事を書いた私の名前は「金澤 周(かなざわ あまね)」です。
この記事は、草加西口大腸肛門クリニックの院長が専門医の立場から執筆しています。
日本の中学3年生の朝ごはんと生活の状況

最初に、日本の中学3年生の朝ごはんを含めた生活の状況について見ていきます。
これは、文部科学省が2023年に、小学6年生と中学3年生を対象に行った、「全国学力・学習状況調査」からのデータです。

まず、「毎日、同じくらいの時間に起きていますか?」という質問に対しては、
「はい」が55%で、
一方で、「あまり起きていない」、「全く起きていない」人も約10%いました。

次に、「毎日、同じくらいの時間に寝ていますか?」という質問に対しては、
「はい」が35%しかいませんでした。
逆に、「あまり寝ていない」「全く寝ていない」人が約20%もいます。
つまり、中学3年生の中には、寝る時間が日によってバラバラな人がかなり多いということです。
起きる時間は、学校があるためある程度は決まっています。
でも、寝る時間は、塾や部活で遅くなる日もあってバラバラになりがちだ、ということがこの調査から分かります。

次に、今回のテーマでもある朝ごはんについての質問です。
「毎朝、朝ごはんを食べている」と答えた中学3年生は約80%。
一方で、「あまり食べていない」「全く食べていない」と答えた人も、あわせて約10%いました。
思っていたより多くの人が毎日朝ごはんを食べている一方で、
小学6年生と比較すると「毎日食べている」人が5%も減っているのは、気になるところです。

次は、朝ごはんの摂取と「全国学力・学習状況調査」の平均正答率との関係です。
中学3年生では、国語と数学のどちらも朝食を食べている中学生の方が、
食べていない人より平均正答率が高いという結果でした。

最後は、朝ごはんの摂取と「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の体力合計点との関係です。
中学2年生では、男女とも朝食を食べている中学生の方が、
食べていない人より体力合計点が高い傾向がみられました。
朝ごはんを食べると、みんなが学力や体力が上がるというわけではありませんが、
ただし、これは「朝ごはんを食べれば必ず体力が上がる」という意味ではなく、
朝食を食べる習慣のある人は、睡眠・運動・生活リズムなどの“良い積み重ね”とセットになりやすいことが関係している可能性があります。
ここまでが、日本の中学生の生活状況の現状でした。
次は、「なぜ、朝ごはんが大事なのか?」を説明をしていきます。
中学生にとっての朝ごはんの大切さ|時間栄養学の観点から

朝ごはんの大切さはいろいろな角度から説明することができますが、
今回は、「朝ごはんは、体を朝にして、1日を快適にスタートするためのスイッチ」という内容で、
時間栄養学の観点からお話をしていきます。

社会時計と体内時計
最初に社会時計と体内時計について説明をします。
社会の時間は、地球の自転の24時間でリズムが作られています。
一方で、私たちの体には「体内時計」があり、睡眠・覚醒、体温、ホルモン分泌、代謝などを調節して体のリズムを作っています。

そしてこの体内時計は、24時間より少し長い(約24.2時間)と言われて、
社会時計の24時間と少しだけズレがあります。
だから、放っておくと、このズレが積み重なっていき、
時差ぼけのような状態になり、体調が崩れやすくなります。
そこで必要になるのが、毎朝のリセットです。

2つの体内時計

ヒトの体内時計には中枢時計と末梢時計があります。
中枢時計は脳の視交叉上核というところにあり、24.2時間の周期を刻んでいます。
一方、末梢時計は全身の臓器にあり、その周期は各臓器ごとによって少しずつ違います。

オーケストラに例えると、
- 脳の視交叉上核=指揮者
- 末梢時計=各楽器
となります。
それぞれの周期は違っている各臓器の抹消時計を、中枢時計の視交叉上核がまとめて、
全体として24.2時間のリズムを刻んでいるというイメージです。
体内時計は毎朝リセットが必要
体内時計は24.2時間と、社会時計の24時間より少し長いので、毎日少しずつズレます。
だから、朝にリセットしてズレをなくすことが大切です。
ここでのポイントは、中枢時計と末梢時計でリセットのスイッチが違うということです。

中枢時計をリセットするのは光の刺激です。
一方、末梢時計をリセットするのは食事の刺激です。
このため、朝起きて、朝の光を浴びて朝食を食べることで、体内時計を前進させて、24時間の社会時計に合わせることができます。
中枢時計に影響を与える光の刺激

中枢時計は朝の光で前進しますが、
夜に光を浴びると逆に後退してしまい、体内時計のズレの原因となります。
寝る前1時間以内に、スマホやPCやTVなどの強い光を浴びるのはできるだけ避けましょう。
末梢時計に影響を与える食事の刺激

先ほどお話ししたように、末梢時計は朝食の刺激で前進します。
一方で、夜遅い時間の食事や、脂っこい食事、量が多い食事などは、
体内時計を後退させ、体内時計のズレの原因となります。
夜は寝る2〜3時間前には食事を終わらせ、食事が遅い日は軽めを心がけましょう。
体内時計がズレると起こる症状

体内時計(特に末梢時計)がズレると、さまざまな症状により生活に影響が出ます。
- ぼーっとする
- 集中できない
- 体が重い
- 学校や会社に行きたくない
- 胃腸がだるい・お腹が張る
などといった感じです。
慌ただしく起きて朝食を食べない朝に、これらの症状を感じたことがある人はいるのではないでしょうか。
体内時計を整えるコツはシンプルで、朝に体内時計をリセットするスイッチを入れること。
そのために朝ごはんは大切です。
まとめ|【朝は「光+朝食」が最強スイッチ】

ここまでのまとめると、
朝ごはんは単なる栄養補給だけでなく、
体内時計を朝に合わせるスイッチです。
- 中枢時計は朝の光でリセット
- 末梢時計は食事の刺激でリセット
理想的には、「光+朝食」が毎日を快適に過ごすための最強スイッチです。
その他の朝ごはんの重要性
朝ごはんの重要性は、他にもありますので、いくつかあげてみます。

まず、朝食を食べることにより、「胃結腸反射」がおこって胃腸が動き出し、朝のうちに排便がしやすくなります。
学校に行くまでの間に排便できる生活リズムが作れると、
学校でのトイレの不安やお腹の不調が軽減し、快適な学校生活を送ることができるようになります。
一方で、朝食を食べないと、肥満やうつ状態と関連することが、子供・大人を含む研究で報告されています。
さらに、壮年期(40〜65歳)では、
朝食が週0〜2回の人は、毎日食べる人と比較して、脳出血のリスクが高い傾向が報告されています。
このように朝食は今の生活だけでなく、
将来の皆さんの体にとっても非常に重要な役割を担っています。
消化の仕組みとエネルギーになるまでの時間

ここからは消化のメカニズムと栄養素がエネルギーになるまでの時間について説明をしていきます。
ポイントは、「食べる時間も大切」ということです。
5大栄養素

最初にヒトの体にとって必要な5大栄養素のお話しです。
5大栄養素は、人にとってたくさん必要な、多量栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)と、
少量でいい微量栄養素(ビタミン・ミネラル)からなります。
ここでは主に、3大栄養素について話を進めていきます。
3大栄養素の消化と吸収

炭水化物・タンパク質・脂質は、
口、胃、膵臓などから分泌される消化酵素により分解され、
小腸に運ばれ、小腸から吸収されます。
ちなみに大腸は主に水を吸収する臓器で、食物の消化吸収には関わっていません。
それぞれの栄養素がエネルギーとして使えるまでの時間の目安

それぞれの栄養素がエネルギーとして使えるまでの時間の目安です。
炭水化物が一番早く、30〜45分で最短で、即効性があります。
すぐに使えるエネルギーとして補充する場合は炭水化物が適しています。
次に短いのはタンパク質で、炭水化物の2倍の60〜90分です。
タンパク質は、炭水化物で上昇させた血糖値を維持するサポート役です。
一番長いのは脂質で、炭水化物の3倍の120分〜180分です。
脂質はすぐ使えるエネルギーというよりは、体に貯蓄しておいていざという時に使うイメージです。
これら栄養素のエネルギーになるまでの時間を考えると、
朝食や昼食は、炭水化物とタンパク質を中心に組み立てるのがベストです。
学校生活での、朝ごはんのタイミングと内容

炭水化物とタンパク質で朝ごはんのメニューを組み立てる場合、
8:30の学校の始業時間に合わせるためには、
60分〜90分前に朝食を食べる必要があります。
メニューとしては、炭水化物から1品、タンパク質から2品がいいです。
朝は忙しいので、無理せず準備できるものがおすすめです。
炭水化物として、以下から1品を選びます。
- ご飯・おにぎり
- パン
- シリアル
- バナナ(完熟)
次に、タンパク質として、以下から2品を選びます。
- 卵
- 納豆
- 豆腐
- 魚
- ヨーグルト
- 牛乳
これで、エネルギーが使われるまでの時間と栄養のバランスがとれた朝食が完成です。
朝の食欲が出ない原因と、食欲が出る生活習慣

現在の中学生の生活はどうしても夜型の生活になりがちです。
そしてこの夜型の生活が、朝に食欲が出ない原因の1つとなっています。
朝食欲が出ない原因は色々とありますが、ここでは夜型の生活に焦点をあてて説明をしていきます。
夜型の生活だと、朝、食欲が出ない理由

夜型の生活になると、体内時計が遅れ、社会時間とのずれが生じてきます。
毎日の学校や仕事は朝同じ時間から始まるので、朝は決まった時間に起きないといけません。
そうなると、朝まだお腹が空く時間じゃないのに、体は無理やり起きているため、
朝、食欲が出ないという状態になります。
夜型の生活の原因

夜型になる原因は多くありますが、ここでは、
- 夜遅い食事
- 夜の重い食事(高脂肪食)
- 遅い就寝時間
- 寝る前の強い光
について見ていきます。
夜遅い食事と高脂肪食
夜遅い食事や夜の重い食事(高脂肪食)が続くと、
食事で動く末梢時計のリズムが遅れやすくなり、体のリズムが乱れやすくなります。
その状態が続くと、生活リズムが夜型に傾きやすくなります。
つまり、「夜モードの合図」が増えて、朝のスタートが切りにくくなってしまいます。
遅い就寝時間
毎日寝る時間が遅いと、夜の活動時間が増えるために、生活リズムが夜型に傾きやすくなります。
寝る前の強い光
寝る前に、スマホやPCやTVなどの強い光を浴びると、
体内時計(中枢時計)が遅れる方向にずれやすくなり、
これにより夜型の生活リズムとなり、朝起きるのが難しくなります。
夜型になる原因に対しての対策
ここからはそれぞれの原因について、日頃の生活でできる対策を考えていきます。
夜型の生活の原因①【夜遅い食事】への対策

まず、就眠の2〜3時間前までに夕食を済ませるのが理想です。
しかし、塾があったりしてどうしても夕食が遅くなる人もいると思います。
遅くなる日は分食(2回に分けて食べる)が有効です。
例えば、塾に行く前に家で軽めの夕食を食べ、
塾から帰った後に足りない分の食事を軽く食べるといった感じです。
これによって寝る直前に多く食べることを回避でき、体内時計のズレを少なくすることができます。
これで夜のドカ食いを避けられて、朝の食欲も戻りやすくなります。
夜型の原因②【夜の重い・脂っこい食事】への対策

夜の重く脂っこい食事は、消化に時間がかかるため、胃腸が休みにくく、寝つきや睡眠の質が下がりやすいです。
そのため、重い・脂っこい食事は夕食を早く食べられる日にしましょう。
また、塾などで、遅くなる日は、脂少なめのあっさりした食事内容にして、体に負担がかからないようにしましょう。
夜型の原因③【遅い就眠時間】への対策

遅い就寝時間の習慣ができると、体内時計のズレが積み重なっていき、
朝に、体内時計を社会時計に合わせるのが難しくなっていきます。
中学3年生の推奨睡眠時間は、8〜10時間と言われていますが、実際に10時間の睡眠時間を取るのは難しいと思います。
まずは1日8時間の睡眠時間が確保できるように、
10分でも15分でもいいので、少しずつ就寝時間を早くしていきましょう。
夜型の原因④【寝る前の強い光】への対策

寝る前の強い光は、体内時計を遅らせて夜型のリズムへシフトさせる原因の1つです。
就寝前1時間は、強い光を発するスマホ・PC・TVなどの電子機器は触れないようにしましょう。
LINEのチェックや、目覚まし時計をかけたりするため、どうしてもスマホを触らないといけない時は、
光を抑える(減光)モードにしたり、光を浴びる時間を短くしたりする工夫をしましょう。
できることからやってみよう

夜型の生活リズムになっている方は、夜型生活改善のためにできることからしてみましょう。
- 夕食は就眠の2〜3時間前までに
- 夜遅い食事の場合は分食に
- 重い脂っこい食事は早めに夕食が食べられる時に
- 夕食が遅い時は軽め脂少なめで
- 8時間の睡眠がとれるように就眠時間を早めに
- 寝る1時間前のスマホ・PC・TVは避ける
おいしく朝ごはんが食べられるように、
どれか1つでもいいので、今日から実践してみてください。
生活を整えても朝の食欲が改善しないときの注意点

これまでお話ししてきた、生活習慣の改善をしてみても、
- 朝の食欲が改善しない
- 体重減少がある
- 強い立ちくらみがある
- 腹痛が続く
などの状態の場合は、背景に治療が必要な病気が隠れている可能性があります。
そんなときは、一人で悩まず、
親や担任の先生・保健の先生など信頼のできる大人に相談をしましょう。
今の食事が「未来の自分」に与える影響【大腸癌と食生活】

ここからは、
「食事のとりかたや食材の選び方による未来の自分への影響〜未来の自分のために“いい習慣”をつけよう〜」
というタイトルで、私の専門分野の1つである大腸がんと食生活に焦点を当てていきます。
中学生の皆さんにとっては未来の自分のために、
そして大人の皆さんにとっては、現在の自分のために、
大腸がんのリスクを減らすことができる内容が含まれています。
日本で大腸がんは増えています

近年日本での大腸がんは増加しています。
2022年に大腸がんで亡くなった方は、
男性では肺がんに次いで2位、女性では1位で、男女合計では肺がんに次いで2位となっています。
40年くらい前には日本では圧倒的に胃がんが多かったのですが、
胃がんの原因となるピロリ菌の除菌が進んだため、胃がんは減少傾向にあります。
大腸がんは40歳代から増えてきます

大腸がんは40歳代から増加してきます。
このため、40歳を過ぎたら検診を受けるなど、大腸がんのことを少し意識して生活していくことが必要です。
大腸がんの原因

大腸がんの原因は数多くありますが、主な原因として、
- 加齢
- 遺伝子
- 食生活の欧米化
- 飲酒
- 運動不足
の5つが挙げられます。
加齢については先ほど出てきたように、40歳以降になると大腸がんは増えてきます。
親や兄弟に大腸がんの方がいる場合は、大腸がんのリスクが上がるというデータもあります。
また、大腸がんの中には必ず遺伝していく大腸がんもあります。
これら加齢や遺伝子は努力しても変えることはできませんが、
食生活の欧米化、飲酒、運動不足の3つは、日頃の生活習慣を見直すことで、大腸がんのリスクを減らすことができます。
ここからは、この3つの因子についてみていきます。
大腸がんのリスクを上げやすい“よくない積み重ね”の例

大腸がんのリスクを上げやすいよくない積み重ねの例として、以下の5つが有名です。
加工肉
ハム・ウインナー・ベーコンなどの加工肉は、大腸がんのリスクを「確実」に上げる因子の1つです。
ただ、忙しい朝にハム・ウインナー・ベーコンは調理が楽なので、非常に助かりますし、タンパク質としても貴重です。
しかし、大腸がんのリスクを確実に上げることは証明されているので、
毎日加工肉を食べている人は、1週間で1日でも減らすようにしてみてください。
赤身肉
牛・豚・羊などの赤身肉は、大腸がんのリスクを「おそらく」上げる因子の1つです。
赤身肉はタンパク質としては重要ですし、生活に密着している食べ物です。
日頃から赤身肉をよく食べている人は、1週間のうち1回でもいいので、赤身肉をお魚にかえてみてください。
アルコール
アルコールは男性では、大腸がんのリスクを「確実」に上げる因子、女性では「おそらく」上げる因子です。
アルコールは大腸がんの他にも、
- 口腔がん
- 咽頭癌
- 喉頭がん
- 食道がん
- 肝臓がん
- 乳がん
のリスクを確実に上げる因子とされています。
毎日アルコールを飲んでいる人は、1日でもいいので休肝日をつくることから始めてみましょう。
肥満
肥満は大腸がんのリスクを「確実」に上げる因子の1つです。
特に腹部肥満(メタボ体型)が注意です。
肥満は大腸がんだけでなく、食道腺がん・子宮体がん・閉経後乳がん・膵がん・肝がんなど、複数のがんで「確実」なリスク因子とされています。
肥満は、いろいろながんのリスクになるだけでなく、高血圧・高コレステロール血症・糖尿病などのリスク因子にもなります。
肥満気味の方は、まずは標準体重(BMI25未満)を目指して、少しずつ減量をしてみてください。
大腸がんのリスクを下げやすい“良い積み重ね”の例

ここからは、大腸がんのリスクを下げやすい良い積み重ねの例をみていきます。
食物繊維を含む食品
食物繊維を含む食品は、大腸癌のリスクを「確実」に下げる因子の1つです。
日頃、野菜や海藻類などが苦手で、ついつい敬遠してしまう方は、
毎日の食事に少しずつ取り入れてみてください。
身体活動
身体活動も、大腸がんのリスクを「確実」に下げる因子の1つです。
内容としては、
- 毎日60分行きがはずむ動き
- そのうち週に3日はちょっとキツめ
が目安となります。
中学生の皆さんであれば、毎日の通学や部活でクリアができますが、
大人だと少し意識しないと難しいかもしれません。
乳製品
乳性品は、大腸がんのリスクを「おそらく」下げる因子の1つです。
しかし、乳性品は体に合う方と合わない方がいるので、
体に合う方は毎日の食事に少しずつ取り入れみてください。
カルシウム
カルシウムも、大腸がんのリスクを「おそらく」下げる因子の1つです。
カルシウムは先ほどの乳製品の他にも、
- 小魚
- しらす干し
- 豆腐
- 納豆
- 小松菜
- いりごま
- アーモンド
などにも含まれていますので、日々の食事に少しでも加えてみてください。
未来の自分のために今日からできるいい習慣(大腸がん予防)

ここまで、大腸がんに関わる食生活についてみてきました。
日々の生活の積み重ねが、大腸がんのリスクを上下します。
日頃、赤身肉を食べる機会が多い人は、1食はお魚にしてみたり、鶏肉を取り入れたりするのもいいでしょう。
また、日頃野菜が少ない人は毎日少しでも野菜を食べるようにしたり、
乳製品を食べられる人は食事に取り入れ、乳製品が苦手な人はカルシウムを取り入れましょう。
また、毎日の運動は大腸がんのリスクを確実に下げてくれます。
学生の間は部活や体育などで運動する機会も多いですが、
社会人になると運動の機会は減ってしまうため、日々意識をして運動をしていくことも大切です。
日々のいい習慣の積み重ねが、みなさんの将来の大腸がんのリスクを減らしてくれます。
将来の自分のために、今日からできることを始めてみてください。
受験など、ここぞ!というときにとりたい食事

ここからは、受験など“ここぞ!”という時にとりたい食事とタイミングについてお話をしていきます。
これから受験を控えている中学3年生の皆さんに少しでも参考になるように、
試験当日のスケジュールなどをふまえて、
実際に使える具体定なメソッドをお伝えしていきます。
“ここぞ!”という時の食事で大事なこと3つ

まずは、ここぞ!という時の食事で大事なことは、
- 食事の内容
- 食べる時間
- 食事の量
の3つです。
試験当日の食事の内容

試験当日の食事は、栄養素がエネルギーになるまでの時間を考えて、
炭水化物とタンパク質を中心に組み立てます。
エネルギーのメインは炭水化物で、タンパク質は炭水化物で上げた血糖値を維持するためのサポート的な役割です。
エネルギーになるまでの時間が長い脂質は、控えめがいいです。
試験当日の食べる時間
ここからは試験当日の食べる時間についてみていきます。
公立高校入試の時間割

これは、令和8年度に皆さんが受ける、埼玉県公立高校の学力検査の時間割です。
一般諸注意が8:45分から始まり、1科目目の国語は9:25分から始まります。
このため、朝食は国語の開始時間の9:25に合わせて取る必要があります。
次に、昼食時間をみてみます。
午前の3科目目の社会が終わるのが12:35で、午後の理科は13:30から始まります。
試験が終わってすぐ昼食には入れないのと、試験前20分くらいはトイレに行ったり準備も必要になるため、
実際に昼食時間として使えるのは、12:40〜13:10の約30分と考えられます。
昼食時間は非常に短いので、短時間で手軽に食べることのできる食事が望ましいです。
試験当日の朝食の時間
試験当日は、試験会場までの移動時間などもあるため、日頃より早く起きて準備をする必要があります。
このため朝食も、
- 朝おきて軽めの朝食
- 試験開始までの間で少量の追加食
の2段階で食べる作戦でいきます。

朝起きて食べるだけだと、試験開始の時にはエネルギー切れになる可能性がありますので、
これを間の少量追加食で補います。
具体的には、
- 6:00〜6:30 軽めの朝食
- 8:00 少量追加食
で考えていきましょう。
試験当日の食事の量
最後に、試験当日の食事の量についてです。
食事の量は控えめに!

まず、朝食も昼食もどちらも大事なのは、食べる量は控えめにです。
一度に多くの食事をとると、血糖の上下が大きくなり、眠気の原因となります。
また、一度に多くの食べ物が胃に入ることにより腹痛の原因にもなります。
食事の準備をされる家族の方も、
試験に勝つために、たっぷりの朝ごはんや昼ごはんで応援したい気持ちはよく分かりますが、
ここはぐっとこらて、量は控えめの食事の準備をしてあげてください。
試験当日の食事の作戦
ここからは試験当日の朝食と昼食の作戦を立てていきます。
試験開始3時間前の軽めの朝食
それでは、試験開始3時間前の軽めの朝食について具体的にみてきます。
ここでは、体重50kgの学生をイメージしてメニューを作りました。

まずは、エネルギーとして利用しやすい、炭水化物とタンパク質で組み立てます。
炭水化物は約100gで、コンビニおにぎり2個+普通サイズのバナナ1本です。
タンパク質としては、約10gで、卵1個+ヨーグルトです。
卵やヨーグルトは、魚・納豆・豆腐・牛乳・豆乳などでもOKです。
そしてお味噌汁など、暖かい飲み物もあると体が温まり、体もリラックスできるので、ぜひ追加してみてください。
暖かい飲み物は、お味噌汁やスープ、暖かいお茶などでもOKです。
※体重によって摂取量は調整をしてください。
試験開始60〜90分前の少量追加食

少量追加食のポイントは、すぐにエネルギーになる炭水化物をとることです。
移動中や試験会場で食べる可能性もあるため、食べやすいものを選びましょう。
具体的には、
- コンビニサイズおにぎり1/2 個
- 普通のバナナ1/2 本
- ゼリー飲料1/2 本
- スポーツドリンク200 mL
くらいの少し軽めの食事で、サッと補給をしましょう。
※体重によって摂取量は調整をしてください。
試験当日の昼食

試験当日の昼食のポイントは「30分しかない」ということです。
短時間で食べられて、すぐエネルギーになり、お腹に負担もかからないことが大切です。
メニューは、炭水化物とタンパク質で組み立てます。
炭水化物は、
- コンビニサイズのおにぎり1個
- 普通のバナナ1本
- あんぱん1個
- ゼリー飲料1個
の中から1つを選びましょう。
タンパク質は、卵やチーズなどから1〜2品を選ぶといいでしょう。
そして、スープやお茶など暖かい飲み物も、体をリラックスさせるために加えてください。
昼食お弁当の一例
これまでの内容をふまえて、昼食のお弁当を作ってみました。

まず、炭水化物として、小さなおにぎり2個。
タンパク質として、卵焼き2個とキャンディチーズ1個、さらに照り焼きチキン2個。
赤の差し色でミニトマトを入れたいところですが、
食物繊維は脂質同様消化に時間がかかるため、ここはタンパク質のカニカマを入れてみました。
それと暖かいスープで完成です。
これはあくまで1例です。
ご家族がお弁当を作る際には、タンパク質と炭水化物のバランスをとって作ってみてください。
つい張り切って昼にカツ丼や焼肉丼を食べさせてあげたい気持ちはわかりますが、
グッとこらえて、でも、カツなら1〜2切れならOKです。
試験がおわったら好きなものを食べてください

試験が終わったら、好きなものを食べられます。
試験当日は朝からやや控えめの食事と内容で、頭をクリアにして試験に臨みましょう。
リハーサルもしましょう

今回立てた作戦は、実際に試してみたら量が足りないとか、時間のタイミングが試験時間に合わないなどがあるかもしれません。
試験当日に確実いい体調で過ごせるように、ぜひ一度試験前の休日などにリハーサルをしてみてください。
緊張でお腹が痛くなったりする理由とその対応策

ここからは、試験など日頃と違う環境でお腹が痛くなったり、緩くなったりする理由と対応策についてお話をしていきます。
緊張でお腹が痛くなったりする理由【自立神経の乱れ】

緊張でお腹が痛くなったり緩くなったりする理由は多くありますが、
ここではそ大きな理由の1つ「自律神経の乱れ」について説明をしていきます。
自律神経は2種類

自律神経は交感神経と副交感神経の2種類からなります。
交感神経は体を活動状態にして、
副交感神経は体を休ませる方に働きます。
私たちの体は、交感神経と副交感神経がバランスをとって成り立っています。
この自律神経のバランスが乱れると、お腹の不調を始め、様々な不調の原因となります。
脳腸相関

脳と腸は自律神経でつながっていて、これを脳腸相関といいます。
つまり、緊張した時など、脳で感じたドキドキは、お腹のキュルキュルにつながります。
緊張すると交感神経が活発になる

試験の時など脳で感じた緊張により、交感神経が活発となります。
交感神経が活発になると、胃と大腸で違う動きをします。
まず、胃については胃の動きが落ちることにより、胃もたれやムカムカの原因となります。
次に大腸については、動きが過敏になり収縮も強くなります。
これによって、お腹かがキュルキュルしたり、トイレに行きたくなったり、お腹が痛くなったりします。
緊張して、胃がムカムカしたり、お腹が急に痛くなりトイレに行きたくなったりした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
緊張したときの対策
試験などで緊張したときは、
活発になった交感神経を抑えて、副交感神経の活動を上げることで、気持ちを落ち着けることができます。

緊張した時の対策【ストレッチ】
交感神経を抑えて、副交感神経の活動を上げるためには、
試験会場の限られたスペースでできる、回しや、首を回したり、肩を上下させたりするのが有効です。
緊張した時の対策【お腹を温める】
試験があるのは冬の寒い時期です。
試験会場も暖房はついていますが、体は冷えやすいです。
そこで、カイロなどでお腹を温めるのも対策の1つです。
お腹が温まることにより、副交感神経の活動があがり、緊張が緩和されます。
緊張した時の対策【呼吸】
「緊張したときは深呼吸をしましょう」
皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
深呼吸をすることで副交感神経の活動が上がります。
呼吸法には幾つかありますが、ここでは試験会場で椅子に座ったままできる、
腹式呼吸の1つの4-6呼吸を紹介します。

まずは、お腹を意識するためにおへその下に手を当てます。
そして、お腹が膨らむのを意識しながら、鼻から4秒間ゆっくりと息を吸います。
次にお腹が凹むのを意識しながら、口から6秒ゆっくり息を吐きます。
深く息を吐くというよりは、ゆっくり息を吐くことが大切です。
不安を減らす準備もしておきましょう
それでも「試験当日にお腹が痛くなったらどうしよう…」と不安な方もいると思います。
大切な試験なので、できる準備をしっかりして臨むことも大切です。

リハーサルや下見
まずは、試験前に、試験会場まで実際に行ってみたり、
試験当日に、試験開始前にトイレの場所をしっかり確認しておくことも大切です。
特にトイレについては、一番近い場所が混んでいる可能性もあるため、できれば2〜3カ所チェックしておきましょう。
整腸剤や下痢止めの持参
試験の時は誰でも不安になり緊張します。
そして実際にお腹が痛くなってしまった時に、対応策を1つでも増やしておくために、
整腸剤や下痢止めを持参しておきましょう。
これから大人になっていく中学3年生のみなさんに伝えたいこと

ここまで、朝ごはんや食事のことについてお話をしてきました。
最後は私から、これから大人になっていく中学3年生の皆さんに伝えていことを2つお話しします。
正しい情報を得る努力をしてください

最初に伝えたいことは、正しい情報を得る努力をしてほしいということです。
現在は情報化社会で、私たちは多くの情報に取り囲まれています。

情報は全世界から私たちのスマホに入ってきます。
それと同時に、私たちからも全世界の情報にアクセスできます。
皆さんは大量の情報の中から、自分で正しい情報を選んでいく時代に生きています。

情報に振り回されることなく、でも孤立しないように情報の拒否をせず、
そして時代に乗り遅れないように情報の波にはしっかり乗って、
情報とうまく付き合っていくスキルを身につけていきましょう。

そして、保険・医療に関わる情報には注意が必要です。
これらの情報には、科学的根拠がないものが氾濫しています。
そして、健康の不安などは他の人に相談しにくい分野のため、
あなたの弱みや不安につけ込んでくるのが特徴です。

正しい情報を得るために、
情報をうのみにせず、まずは自分で調べてみる。
そして、判断がつかない場合は、親や学校の先生などあなたが信頼できる人に聞くことが大切です。
そして、自分の中で納得した情報を、自己責任で選択して行動をしていきましょう。
自分の体を大切にしてください

皆さんに伝えたい2つ目は、自分の体を大切にしてほしいということです。

皆さんは、生まれた時にご両親から、自分の体という大切な贈り物をもらっています。

そして、皆さんはこの体をこの先ずっと使ってかなければなりません。
途中で調子が悪かったり、壊れたりしたから別のものに交換することはできません。
だから、常に気遣いながら、メンテナンスしながら大切に使っていく必要があります。

そして、体の機能は年齢とともに低下していきます。
30歳のときの機能を100%とすると、
60歳の頃には心臓の機能は約90%、腎臓の機能は約75%に低下してしまいます。
そしてこの機能低下を少しでも少なくするために、
30歳以降だけでなく、30歳以前にも体にとっていい積み重ねをしていく必要があります。

若い時は、何をしても体は平気です。
徹夜しても少し眠れば、翌日は普通に活動できます。
しかし、年齢とともに体に負担は積み重なっていきます。
だから、今から、自分の大切な体を気遣ってあげてください。
そして、交換の効かないたった一つの自分の体を大切に使っていきましょう。
Enjoy Life!

ここまで、お話を聴いていただきましてありがとうございました。
本日は、今と将来のために知っておいてほしい「朝ごはんのこと」と「生活習慣のこと」を、
今日から使える具体的なメソッドも含めてお話しをいたしました。
受験の際に、そしてこれから生活をしていく中で、少しでも皆様の参考になれば幸いです。
健康第一!体を大切にして、楽しい生活を送りましょう!

